「WHITESNAKE」
なんというか、「奇跡」の様なアルバムである。
ブルースを基調としたHRの一つの「究極型・到達点」でさえ有ると思う。。
非常に難産で生み出された政治的背景を示す「ボロボロの紋章」のジャケットの本作にはハード・ロックの旨味が完璧な形で凝縮されて真空パックされている。
白蛇のアルバムは殆ど聴いているのだが、本作を越えるものは私的には「ありえないし、存在しない」また「多分どんな名作が今後白蛇から生まれても本作を越えることはない」と思える。(まぁ価値観は人それぞれですから・・)
全9曲、合計時間も「非常に短いと感じる」そしてこのジャンルには珍しく圧倒的に「音に隙間」がある。しかし、全ての楽曲が等しく「極めつけ的」な破壊力を持ち、あっという間に駆け抜ける感覚は現在でも色あせることはなかった。
「前々作から2曲もリメイクして収録している」ことからも良い曲のみを収録し「駄曲はゼロ」なフル・アルバム制作へのカバデールの拘りと信念が伺える。
本作が爆発的HITする前に脱退したジョン・サイクスのギターの音が素晴らしい。
存在感と音圧、そして「あのハーモニクス」が現在でも私的フェイバリットギタリストの地位を揺るがすことは、多分無いだろう。。
サイクスも結構気難しい人らしく、カバデールと「もう一度組む」と言ったことは可能性は薄いだろうが、「本作での奇跡」は作品になり、いつまでも残り続ける。
#1
リメイク曲その1、サイクスの図太いギターでの「ダダダッ!!」という「決めの音」が非常にインパクトと名アルバムの壮大な幕開けを感じさせる。
#2
サイクスの「ハードロック然」とした非常にクリアで気持ちの良い歪みの「刻みリフ」が格好いい
#3
非常に「ツェッペリン的」な曲であるが、数段ハードに鳴り響く。実は意外とギターパートは少ないのだが、極めつけに気持ちよく格好良いギターである
#4
リメイク曲その2、カバデール節が爆発している「これぞ名曲」としか言いようのないHR史に残るであろう超名曲
#5
キャッチーなハード・ロック・ブルースであり、ひたすらにロックンロール!
ひたすらに弾き倒すサイクスも凄い。
#6
美しいメロディの壮大なバラード
#7
本作にはド頭にギターのグリスから入る曲が結構目立つ。サイクス奏法でもある「ミュートでの刻み」と相まってレスポール=ハード・ロック=サイクスの図式が自己完結でよぎってしまう。。
#8
非常にキャッチー、と言うより「POPな」楽曲、前作収録の「gulty of love」の様なノリのメロウでかつキャッチーなツインリードが高揚感を高める
#9
ついに大団円「ダッダーン!」てな#1と対称になったかのようなサイクスのギターのキメから入る。印象的なギターのカッティングのリフレインで本曲を聞き終えた後にはきっと「何か」感じるものがあるだろう・・
全体として素晴らしいのはやはり「歌とギターの見事な棲み分け」と「音数の少なさ」だと思う、出る時にはエグイくらいに弾き倒すサイクスと無音な空間の中で見事に歌い上げるカバデールとの両者の押し引きの神業であると思う、、
これを聴いてないでHR愛好家を名乗る人間は「モグリです」。
~Here I Go Again~
そして、心を決めた
もう、時を無駄にはしない
それでも、また同じ道を行く
また同じ道を行く...